黒字なのにお金がない理由。法人も個人事業主も理由は同じ!
利益が出ている、黒字なのにお金がない!
このようなことは日常的に起こりえます。ありえないことではありません。
ではなぜ黒字なのにお金がなくなるのでしょうか?
法人でも個人事業主でも理由は同じです。
会社が倒産するのはお金がないから
黒字でもお金がない、ということは起こりえます。
ニュースなどで「黒字倒産」と聞きますよね。
「黒字倒産」というのは、まさに黒字なのにお金がない状態です。
会社は赤字であっても倒産はしません。
会社が倒産する理由は、お金がないからです。
仮に100万円の赤字が出たとしてもお金が1億円あったら倒産しません。
逆に100万円の黒字だったとしても、お金が1円もなかったら倒産します。
会社が倒産する理由はお金がないからなのです。
赤字だからではありません。
なぜお金がなくなるのか
赤字だからお金がない、というのは理解できますよね。
でも、赤字でもお金がある場合もあります。
- 銀行借入をした
- 誰かから出資を受けた
- 過去の黒字のときのお金がある
このような場合は赤字であっても現金は残っていますよね。
現金があれば会社はつぶれません。
個人事業主も個人でたくさんお金を持っていれば事業を継続することができます。
黒字なのにお金が無くなるのはなぜ?
黒字ということは利益が出ているということです。
であれば、通常ならお金が増えるはずですよね。
それなのにお金がない、増えていないなら理由があるはずです。
お金がなくなるのはお金を何かに使っているからです!
もしくは、お金が入ってきていないのです。
別の言い方をすると、お金ではなく他のモノが増えたり減ったりしているのです。
黒字なのにお金がない = お金以外のものが増えたり減ったりしている と言うこと。
例えば、
- 借金の返済をした (借入金が減った)
- お金を貸した (貸付金が増えた)
- 資産を買った (資産が増えた)
- 売上金を回収していない (売掛金が増えた)
- 商品をたくさん買った (在庫が増えた)
- 商品代金を支払った (買掛金が減った)
などなど。
これらの取引を見ますと、何かしらが増えたり減ったりしていますよね。
もっといいますと、お金が増えない代わりに他のものが増えているのです。
例えば、売上金の未回収、貸付金、車やパソコンなどの備品、敷金や保証金など。
これらが増えているとお金は増えません。
黒字なのにお金がない場合は、貸借対照表の資産をみてください。
売掛金、貸付金、車両、工具備品、敷金、保証金 などが増えていませんか?
これらが増えていたらそれがお金のない原因です!
売掛金や在庫が増えていたら特に気を付けなければいけません。
回収していないものは早く支払ってもらえるように督促しなければいけませんし、過剰在庫も減らすようにしなければいけません。
回収していない売掛金が多い、在庫が多い には気をつけましょう!
そのほか、「経費にならないもの」にお金を使っていると黒字なのにお金がなくなります。
お金を経費として使っているなら利益が減りますから黒字でななくなります。黒字なのにお金がない、ということにはなりません。
黒字倒産しないためにはどうすればよいか
黒字なのにお金がなくなる原因は、利益とお金の動きが違う からです。
売上の入金が2か月後、仕入の支払いが1か月後だとお金が足りないですよね。
つまり、入金は早く・支払は遅く するようにすればいいのです。
入金を早くしてもらうためには前受でもらうことも考えられます。
前受金の例として、コーヒー券があります。
10杯分の料金で11杯飲める というものです。
これは1杯分を値引きすることでお金を先にもらっているのです。
前受を常に意識しておくことが大切ですね。
常にお金の動きを把握しておく
一番大切なのはお金の動き、資金繰りを常に把握しておくことです。
経営者は利益とお金の両方を把握しなければいけません。
利益は試算表で、お金は資金繰り表やキャッシュフロー計算書などで把握するようにしましょう。
事前にいつお金がなくなるのかわかれば何かしらの手は打てます。
黒字倒産を防ぐためにはお金の動きを常に把握しておきましょう。
まとめ
黒字なのにお金がない、というのは経営者がお金の動きを把握しておかないと防ぐことができません。
常に資金繰りを確認するようにしておきましょう。
早め早めに手を打つことが大切です。
お金の動きを把握することは非常に重要です。普段から試算表を作り日々の経理をしておくことが重要。
ご自身でできるのならいいですが、できないのであれば税理士にお願いしましょう!
どんぶり勘定は危険です!
常に今の利益・お金を把握しておく必要がありますよ。
できれば税理士と顧問契約をして資金の状況を把握しておいた方がいいです。
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