個人の税務調査の不安を和らげます

個人事業主でなくてもシングルマザー・ファザーは寡婦(夫)控除を受けられる

    
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個人事業主でなくてもシングルマザー・ファザーは寡婦(夫)控除を受けられる

 

シングルマザー・シングルファザーの方々は税制上で控除される制度があります。

年末調整や確定申告でちゃんと控除を受けないと損ですよ!

個人事業主でなくても控除を受けることができます。

 

忘れている方はきっちりと控除を受けましょう!

 

 

シングルマザー・ファザーの税金面の優遇

 

シングルマザー・ファザーの方が税金上で優遇されるのは「寡婦(夫)」控除です。

 

寡婦控除は女性、寡夫控除は男性です。(婦と夫が違います)
両方とも「カフ」と読みます。

 

この寡婦(夫)控除はシングルマザー・ファザーのための優遇制度となっています。

シングルということで子育てが大変だろうということで設けられています。

 

要件があるのですが控除を受けられる人は受けないと損ですよ!

 

この制度は個人事業主でなくても受けることができます。

 

寡婦(夫)控除の要件

 

寡婦(夫)控除の要件はいくつかあります。

しかも、寡婦と寡夫で違います!

女性と男性で違っているのです。

 

 

女性の寡婦控除の3つの要件

 

次の要件があります。

扶養親族もしくは生計を一にする子供がいて、

  • 夫と死別した後、結婚していない人

  • 夫と離婚した後、結婚していない人

  • 夫の生死が不明な人

この3つです。

 

要は、扶養する親や子供がいて、結婚していたけど死別や離婚で一人となった人です。

「夫の生死が不明」というのがありますが、戦争に行ったとか飛行機事故にあったとか失踪したとかのケースです。

あまり当てはまることはないでしょう。多くの方が死別か離婚でしょう。

 

まず、親など扶養親族 か 子供がいるか ということが必要です。

 

その上で、離婚・死別・生死不明 の要件もあります。

 

注意点としては、婚姻していた人が対象ということです。

今はシングルであっても以前は婚姻していたということが必要です。

つまり「未婚の母」は対象となりません。

(今後改正される可能性もあります)

 

寡婦控除にはさらに特例が!

 

寡婦控除にはさらに優遇があります。

上記3つのどれかに当てはまった段階で寡婦控除を受けることが可能。

さらに次の要件にも当てはまると控除される金額が増えます!

所得が500万円以下、の場合は【特定の寡婦】となります。

収入が多いなら控除は少なくてもいいでしょう、ということですね。

所得の制限を設けて500万円以下の場合は控除額が増えるのです。

 

寡婦控除の控除額

 

肝心の控除額ですが、

  • 寡婦控除・・・・27万円

  • 特定の寡婦・・・35万円

となります。

 

これは27万円税金が安くなる、ということではありませんので注意が必要です。

 

例えば、
税金がかかる所得が150万円の方の場合は税率が10%となるので27万円の10%で2万7千円分の税金が減るということです。

(わかりやすく細かいことは省いています)

税率が20%の人なら27万円の20%で5万4千円税金が減るということ。

 

どれくらいの税金が減るからその人の所得金額によって違うのです。

 

男性の寡夫控除の要件

 

シングルファザーも控除を受けることができます。

ただし、女性と比べて要件が厳しくなっています。


一般的に男性の方が稼ぎやすいと考えられているからです。

  • 妻と死別した後、結婚していない人

  • 妻と離婚した後、結婚していない人

  • 妻の生死が不明な人

  • 所得金額が500万円以下

  • 生計を一にする子供がいる

男性の場合はこれらの要件を全て満たさないと控除を受けることができません。

 

女性の場合は、寡婦控除と特定の寡婦の2種類がありました。

男性の場合は、寡夫控除しかありません。

 

女性の場合は、所得金額が500万円を超えていても寡婦控除があります。

男性の場合は、所得金額が500万円を超えていると控除がありません。

このように男性の方が要件が厳しくなっているのです。

寡夫控除の控除額

 

寡夫控除の控除額は、27万円です。

女性の寡婦控除と同じくその人の税率によって減る税金は違います。

女性は特別の寡婦になれば35万円の控除がありますが、男性は27万円しかありません。

 

控除は申告しないと受けられない

 

この寡婦(夫)控除は自分で申告をしないと控除を受けることはできません!

会社で年末調整をする場合にも「寡婦(夫)」である旨をちゃんと伝えないと控除を受けることができません。

 

よくあるのが、「障害者控除」のもれです。

 

自分や扶養者が障害者である場合に「障害者控除」というものを受けることができるのですが、この控除を受け忘れているケースが非常に多いです!

私もそうなのですが、「障害者ではないですか?」って聞きにくいんですよね。

 

本当に回りくどく「万が一、もれてしまうと損なので念のためにお聞きするのですが・・」と言って確認するようにしています。

 

寡婦控除も「離婚していませんか?」と聞きにくいこともあり、確認しないケースも多いです。

 

せっかく受けられる控除を受けないのは非常にもったいないですからちゃんと自分から申告するようにしましょう!

 

最後に

 

税金は知らないと損することもあります。

 

今回ご紹介した「寡婦(夫)控除」は非常に忘れやすい項目です。

要件に該当すれば無条件に控除を受けることができるので必ず控除を受けるようにしましょう!

 

個人事業主でなくても控除は受けられますので、忘れないようにしましょう。

 

 

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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】

個人事業主の税務調査に特化しています。14年間税理士業界を経験して独立開業。従業員を雇わず税理士である自分自身がすべて担当しています。難しい専門用語を使わないことを心がけています。

この記事を書いている人 - WRITER -

個人事業主の税務調査の対応に力を入れている税理士です。税務調査の相談・立ち会いをしています。11歳と8歳の2児の父で子育てに力を入れています。(両方とも男の子) ⇒ 詳しいプロフィールはこちら ⇒ 税務調査の本を2冊出版しています。 ※記事の内容は執筆時点の情報にもとづいています。

税理士 内田敦

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