個人事業主が年内にやるべき2つのこと。節税したいなら必須!
個人事業主は12月で締めとなります。年内にやっておいた方がいいことをまとめてみました。
節税したいなら年内にやらないといけないこともありますよ!
個人事業主の方は12月までで平成28年分の締めとなります。
確定申告に向けてやっておくべきことがありますよ。
まだまだ先だと思っていても意外とすぐですよ。
年明けでは遅いこともあります。
個人事業主は12月31日が決算日
会社の場合には3月決算とか5月決算とか言いますよね。
会社は基本的に決算日というのは自由に決めることができます。
なので会社によって決算日が違うんです。
上場会社なんかは3月決算が多いですが、中小企業には関係ありません。
大抵は設立日から1年としている会社が多いですね。
6月に設立したら5月決算というのが多いです。
個人事業の場合はどうかというと、12月が決算となります。
これは決められているので変更することはできません。
1月に開業しても5月に開業しても12月で決算になります。
すべての個人事業主が12月で決算になるということですね。
個人事業主が年内にやっておくべきこと
個人事業主は12月で決算になるのですが、
やっておくべきことがあります。
- 節税対策
- 在庫の確認
- 消費税の対策
3つになっていますが、在庫確認も節税対策のためです。
節税したいなら12月中に対策を!
誰もが考える節税ですが、個人事業主の方は12月中にやっておかなければいけません。
考えるだけではなくやらなければなりません。
節税のために何かものを買うといった場合は、12月中に納品され使用できる状態にならないと今年の経費にはなりません。
12月中に買っただけではダメで、ちゃんと使用できる状態にならないといけないのです。
12月30日にネットで注文して1月4日に届いた、とかではダメなのです。
12月中に納品が絶対です。12月中に納品されるためには中旬くらいには注文しないといけませんよね。
ネット注文ではなく自分でお店で買うのなら12月31日でもいいです。
この場合も使用しないといけませんのでその日に使用開始しましょう。
節税はモノを買うばかりではありません。
小規模企業共済などに加入したいなら12月中に入りましょう。
在庫がある方は在庫の確認もしましょう。
毎月ちゃんと棚卸をしている人は少ないでしょうから。。。
不良在庫や長期在庫があるなら12月中にセールで売ってしまうのも一つの方法です。
在庫で抱えるよりも値下げしてでも売ってしまった方がいいです。
100円で仕入れたものが売れずに残っていると1円も経費にできません。
仮に80円で売れたとすると、100円が経費になります。
20円の損失が発生するわけですね。
この商品だけ見たら20円の損ですが、在庫で抱えているよりはいいでしょう。
この損失はもちろん他の利益と通算できますからね。
年金などの支払も今年中に
国民年金や国民健康保険料の支払いをされていない人は
年内に支払をしましょう。
今年に支払っていないものは控除できません。
未納がある人は早めに支払をしましょう!
株式の含み損があるなら損失を確定させることも
株式に投資している人も多いでしょう。
儲けていればいいですが、含み損があるなら損失を確定した方がいいときもあります。
上場株式の配当金がある場合などですね。
配当金をもらうときには所得税が天引きされています。
上場株式の配当金と上場株式の譲渡損失は相殺できます。
相殺すると配当金で天引きされた所得税が還付されます。
もし、含み損があるなら売って損失を確定させるという選択もありです。
節税の注意点
節税には注意点もあります。
節税になるからといってお金を使いすぎないことです。
100万円利益が出て100万円経費を使ったら税金は0ですがお金も0。
100万円利益が出てそのまま税金を払えば手元にお金は残ります。
手元にお金を残したいなら素直に税金を払うしかないのです。
節税というのはただ税金を減らすということではなく、
無駄な税金を減らすという意味ですよ。
何が何でも税金を払わないようにするということではありません。
税金を減らすことが目的になってしまって、
肝心のお金まで減ってしまっては意味がありません。
参考 → お金を残したいなら税金を払おう!節税より納税が大切
消費税の対策も忘れずに
個人事業主であっても消費税を納める場合があります。
売上が1,000万円を超えると消費税の課税事業者となり、
所得税などと一緒に消費税の確定申告も必要となるのです。
消費税の課税事業者となるのは2年後です。
令和3年の売上が1,000万円を超えると平成5年が課税事業者となります。
令和3年は消費税を納める必要がありません。
令和3年が課税事業者となるかどうかは令和1年の売上げによります。
令和1年が売上1,000万円超えていたら令和3年は課税事業者です。
個人事業者は年内にこの消費税の対策を考えておく必要があります。
消費税で考えるべきことは、
- 簡易課税の選択
- 課税事業者の選択
の2つです。
両方とも選択とありますよね。
自分で考えて選択しないといけないのです。
簡易課税の選択は、すでに売上が1,000万円を超えている方が対象。
課税事業者の選択は、まだ1,000万円に届かない方も対象。
簡易課税の選択をするか?
売上が5,000万円に届かない場合は消費税で特例計算が認められています。
それが簡易課税です。
ざっくりいうと、通常は、
売上1,000万円から経費800万円を引いた200万円に対して消費税がかかります。
特例の簡易課税だと、売上のみで消費税を計算するんです。
売上1,000万円だと90%である900万円を経費とみなしてくれます。
差額の100円に対して消費税がかかるというイメージです。
90%を例にしましたが、この割合は業種によって異なります。
卸売業なら90%、製造業は70%、飲食業は60% などなど。
このように特例である簡易課税を選択した方がいいのかどうかを12月末までに決めないといけません。
この簡易課税を選ぶ場合にはその年の前年までに届出書を提出しなければいけないからです。
つまり、令和4年から簡易課税を使いたい場合には令和3ねん年12月31日までに税務署に簡易課税選択届出書を提出しなければいけません。(特例がある場合もあります。)
来年の消費税について今年の12月中に考えておかないといけないのです。
課税事業者の選択をするか?
消費税はもう一つ検討することがあります。
それが、課税事業者の選択です。
売上が1,000万円に届いていない事業者は消費税を納める必要がありません。
逆に言えば、還付も受けることができないのです。
消費税の還付って聞いたことがある人もいるでしょう。
売上が500万円で仕入れが600万円かかっていたらどうでしょうか?
赤字ですよね。
この場合、売上でもらった消費税よりも仕入れで払った消費税が多い。
なので還付になるのです。
このように支払った消費税の方が多い時には還付になりますが、これは消費税を納める課税事業者の場合だけです。
消費税を納める必要のない人は還付を受けることができません。
還付を受けるためには、自ら課税事業者にならなければいけないのです。
それが課税事業者の選択です。
課税事業者選択届出書というものを税務署に提出します。
これも期限は簡易課税と同じ。
令和4年から課税事業者になりたければ
令和3ねん年12月31日までに提出が必要です。
この課税事業者を選択するかどうかを決めるのは非常に難しいです。
事業計画や設備投資をするかどうか等も考慮する必要があります。
注意点は簡易課税の選択も課税事業者の選択も2年間は続けないといけないことです。
消費税は難しい
実はこの消費税の選択というのは非常にデリケートなところです。
税理士が訴えられるのが一番多いのが消費税です。
- 特例の簡易課税を選んだ方が得だった、
- 課税事業者を選択すれば還付を受けることができたはず
ということで訴えられることが多いんです。
税理士であっても判断が難しいところですから、消費税については自分だけで判断するのは危険です。
一度、税理士に相談された方が無難でしょう。
まとめ
12月は年末で何かと忙しいですが、
個人事業主の方は忙しいとか言ってられません。
節税のために12月中にやっておかなければいけないこともあります。
年明けになってから慌てても遅いです。
今のうちから対策しておきましょう!
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】
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