個人事業主の税務調査の日程調整。何日間か・いつがいいのか・都合が悪い場合は?
税務調査はまず日程調整が必要となります。
通常は丸一日、場合によっては二、三日取って欲しいと言われることもあります。 どうしても都合がつかない場合は半日だけではダメか確認してみましょう。
先延ばしにして協力する気ないと判断されるのは避けなければいけません。
(税務調査の日程調整について簡単にお話しました)
税務調査は事前通知から
税務調査はまず事前通知があります。
・税務調査をする旨
・どの税金の調査をするのか
・担当者は誰なのか
・どの期間の調査をするのか
などを事前に通知されるのです。
稀に通知がなくいきなり調査官が訪ねてくることもありますが、通常は事前に通知があります。
この通知によって何年間の調査なのか、どの税金の調査なのか(所得税や消費税)、担当者が誰なのかを知ることとなります。
いきなり税務署から連絡があると焦ってしまうものですが、できれば何年間の調査なのか、担当者の名前は控えておきたいところです。
その事前通知で重要なのが日程です。
税務調査の日程を決める
税務調査の日程は調査官から一方的に決められるわけではありません。
調査官から「○月○日はいかがでしょうか?」と提案されることはありますが一方的に決められてしまうことはありません。 日程の提案があったとしても都合が悪ければ変更が可能です。
日程は納税者と税務署側で調整して決めることとなります。 税理士に立会いを依頼する場合は税理士の日程も調整する必要があります。
税理士から委任状である税務代理権限証書を提出してもらえば税理士が代理でやり取りすることもできます。
何日間調査するのか
個人の税務調査の場合は一般的には丸一日と言われるケースが多いです。 朝の10時から夕方16時くらいまで時間を取るように伝えられます。稀に二日間、三日間と言われることもあります。
実際の印象としては丸一日と言われても10時から14時や15時くらいまでのケースが多いです。
夕方の16時30分くらいまでかかったこともありますが稀です。 最初に事業概況の聞き取りが行われ売上金額のチェックをしたところでお昼になり1時間休憩。
13時から再開してその他の資料を確認し必要があれば預かっていく。 初日はこのような流れです。
資料を預かっていくケースが多いのでその場で時間をかけて調べることはせずに、どのような資料が残っているのか、何を確認すれば正しい金額や事実がわかるのかの確認に時間をかけられます。
そのため、実際に調査官と会うのが2回だけだったということもあります。 初日に1回目、資料返却と結果報告で2回目で終わったケースが何度もあります。
途中で電話などのやり取りは何度もありますが実際に会う回数は意外と少ないこともあるのです。
最初に二日間、三日間と言われても終わってみれば会う回数は少なかったりします。
調査日はいつがいいのか
事前通知の際に日程調整をお願いされるのですが、その場ですぐに決めないといけないわけではありません。
予定がわからない、都合がつかない場合は後で調整すれば大丈夫です。 「予定を確認して後で連絡します」と伝えて後日に連絡すればいいのです。
調査日をいつにするのかを考えなければいけませんが、あまりに先延ばしするのはよくありません。
税務調査の連絡があったら資料を準備する時間なども必要ですからそれらを考慮して日程を決める必要があります。
調査日当日に全ての資料が完全に揃っていなければいけないわけではなく後日に用意する形でも問題はありませんが、できれば事前に揃えておいた方が調査を早期に終了することもできます。
- 資料の準備
- 申告内容に誤りがないか確認
これらの時間は確保したいところです。 あまりに先延ばしするのはよくありませんが2週間程度は時間を取るようにした方が良いでしょう。
あまりに先延ばしにすると
先延ばしにしすぎてしまうと調査に協力する気がないと判断されてしまう可能性があります。
協力する気がないと判断されると、銀行口座の調査をされ取引先に反面調査に入ることもあります。 なるべく協力し資料の準備をしつつ早めに日程調整するようにしましょう。
都合が悪い場合は
なるべく早めに日程調整をした方がいいのですが、どうしても都合がつけられないこともあります。
そのような場合でもちゃんと税務署に連絡はするようにしましょう。
「取引先と調整しているがまだいつ時間が取れるかわからない」と伝えることで調整していることを理解してもらいます。
税務署側は早めに調査を開始したいと考えているので「日程はいつ頃になればわかるか」を聞かれますので大まかな日程だけでも伝えておくべきです。
先述したように意図的ではなくてもいつまでも先延ばしにしてしまうと銀行調査や反面調査を始められてしまう可能性もありますから注意が必要です。
半日だけでも
どうしても都合がつかない場合には「半日だけではダメか」と提案してみるのもいいでしょう。
税務署はとにかく早く接触したいと考えているので「ひとまず半日だけでもどうか」と提案すると受けてくれることが多いです。
半日だと事業概況の聞き取りだけで終わってしまいます。
するとまた日程を調整して時間を取らなければいけないのですが、税務署側も早く調査を進めたいと考えているので一度接触して話を聞ければあとは資料を預かって税務署内部で調査を進めることもあります。 資料を預けることは決して不利ではありません。
調査を早期に終了させるために預けることも検討してみましょう。
直接話をすることが大切
税務署が重視しているのは納税者本人から話を聞くことです。 売上げや経費の調査は帳簿、資料を確認することである程度は進めることができます。
事業の概況などは本人から聞き取りを行う必要がありますので、税務署側とすればまずは聞き取りだけでもしたいと考えているのです。
そのため、仮に半日だけであっても時間が取れるのであれば了承してもらえる可能性が高いです。
都合がつかないままいつまでも先延ばしにしていると(そのつもりがなくても)調査に協力する気がないと思われて反面調査などになってしまうこともあり得ます。
まずは半日だけであっても時間を取って早めに話をする機会を作るようにしましょう。
もし、配偶者が確定申告をしているような場合には半日より短い時間でも大丈夫な場合もあります。
夫が事業主で妻が経理をしているようなケースだと、1時間だけ夫に話を聞いてそれ以後は妻と調査を進めるようなこともあります。
短い時間でも早めに会うように
税務署が開いているのは平日の8時30分から17時までです。
税務調査はその時間内で行われますからなかなか都合がつけられないこともあるでしょう。 そのような場合には短い時間ではどうか?と提案してみましょう。
「丸一日時間を取るとなるといつになるかわからない。でも1時間でいいなら明後日に時間が取れる」など。
先延ばししていると思われてしまうとよくありませんから、なんとか調整しようとしていることは理解してもらえるようにすべきです。
ケースとしては少ないですが、夜の時間に対応してくれたこともあります。 税務署は17時に閉まってしまうのですが、仕事でどうしても夜しか時間が取れないと伝えたところ19時から調査を開始してくれたこともあります。
自分から「この時間なら早めに会える」と伝えてみると対応してくれることもあります。 繰り返しますが、先延ばしして協力する気がないと思われてしまうのは絶対に避けましょう。
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