個人事業主の税務調査が早く終わるケース・長引くケース
個人事業主の税務調査の立ち会いをしていると早く終わることもあれば長引くこともあります。
それぞれのケースについて書いてみます。
早く終わるときはしっかりと資料が保存されていて間違いが無いと思われるときです。
この記事の内容について簡単にお話ししました。
税務調査が早く終わるときは?
個人の税務調査が早く終わるときは
- 資料がしっかりと保存されている
- 取引が少なく複雑ではない
- 確定申告に間違いがないと思われる
- 事前に税理士が関与して修正申告した
などがあります。
まず何と言っても資料がしっかりと保存されているかどうかが重要となります。
帳簿、請求書、領収書など必要な資料がキッチリと保管されているだけで調査の期間が大きく変わってきます。
さらには取引数が少ないとすぐチェックができるので早期に終わりやすいです。 売上げ先が1社だけで月1回入金されるのであれば年間12回をチェックすればいいだけですからすぐに終わります。
これが何社もあり振込だけでなく現金もあるとなるとチェックに時間がかかります。
確定申告に間違いがないと思われるときも早めに終わります。 「間違いがないと思われる」のはどのようなときか説明が難しいのですが、ある程度所得金額があるようなときです。
生活費などが十分あるだろうなと思われるときです。
事前に税理士が関与して修正申告書を提出したような場合も早く終わることがあります。 税理士が入って修正申告もしているなら大きな問題はないだろう、と判断してもらえるのです。
実際に「税理士先生が入って修正申告してくれたのでそのまま調査を終わります」と告げられたことが何度もあります。
一番良いのは最初からしっかりと確定申告しておくことですが、もし間違いがわかっているのであれば税務署から連絡があった時点で税理士に相談して修正申告するのも一つの方法です。
税務調査が長引くケース
税務調査が長引くケースは上記とは逆の状況のときです。
- 資料が保管されていない
- 取引先が多く複雑である
- 所得金額が少なすぎる
- 売上げもれが多い
などです。
資料が保管されていなければ調査を進めるのも大変です。
場合によっては反面調査をしなければいけないこともあります。 実際にすべての取引先に反面調査が入って終わるまでに一年以上かかったこともあります。
取引先が多いとそれだけで調べるのに時間がかかります。 取引先が多いのが悪いわけではありません。
単純に数が多くなれば調べるのに時間がかかるということです。 振込だけでなく現金もあるとさらに時間がかかります。
所得金額が少なすぎる場合も長引くことがあります。 個人の場合は所得金額から生活費を負担することになるので、所得金額が少ないと生活費を出せないということになります。
所得金額が120万円だとすると単純に月に10万円が生活費となりますから、この金額が少なすぎると本当に正しいのか調べるために長引くことがあります。
あとは、売上げもれなどが多い場合も長くなります。 売上げもれが多いとなると意図的な所得隠しや脱税などの疑いもあるため慎重な調査をされることとなります。
早期終了できるように
税務調査は精神的な負担も大きいものです。 なるべく早期に終了した方がいいのは間違いないでしょう。
早期終了するためには
- 資料をしっかりと保存しておく
- しっかりと確定申告しておく
ことが大切です。
もし、すでに確定申告に誤りがわかっている場合には修正申告をしておくことも大切です。
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】
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