フリーランスは赤字で還付を受けていると税務調査が多い
個人事業者の税務調査で多いケースの一つが「赤字にして還付を受ける」があります。
天引きされていた源泉所得税が還付となるケースもあります。
赤字が多すぎたりすると税務調査が行われる可能性が高くなります。
ただそれだけで不正を疑われているわけではありません。
所得税が源泉徴収される
所得税が源泉徴収されているケースは多くあります。
個人が報酬をもらうときには源泉徴収されることがあります。
すべての報酬について源泉徴収されるわけではありませんが、個人相手に支払う際には源泉徴収が必要だという認識があるようです。
源泉徴収をされていても確定申告は必要となります。
すでに所得税が天引きされている状態ですので確定申告によって新たに多額の納税が発生するケースは少ないです。
場合によっては還付となることもあります。
還付になることも
所得税が源泉徴収されていると所得税を前払いしているような形となります。
前払いですので確定申告によって還付となることもあります。
赤字になった場合には当然ながら源泉徴収されていた所得税は還付となります。
赤字でなくても必要経費を考慮して税額計算すると源泉徴収された金額が多かったこともあります。
還付が悪いわけではありません。
赤字で還付だと税務調査が多い
所得税が源泉徴収されていると赤字になった場合に源泉徴収されている所得税が還付になります。
赤字になると所得税の負担はありませんから源泉徴収されていた所得税がすべて還付となります。
赤字で還付を受けていると税務調査が行われることがあります。
参考 → 副業を赤字にして還付は大丈夫?
実際に何度も「赤字で還付を受けているケース」の税務調査を体験しています。
還付になることは決していけないことではありません。
ただそれでも還付の場合は税務調査の対象となることが多いです。
本当に赤字であるのであれば還付になることはまったく問題ありません。
売上金額と経費が正しいか
赤字で還付を受けていると税務調査の可能性が高くなります。
ただ税務調査が行われたとしても何ら心配することはありません。
税務調査は簡単にいえば売上金額と経費が正しいかどうかをチェックするものです。
売上金額と経費をちゃんと計算して間違えがなければ何ら問題はないのです。
当然ながら売上金額を誤魔化していたりすると大きな問題となってしまいます。
それは還付かどうかは関係ありません。
困るのは毎年赤字の場合
事業をしていれば業績が良いときもあれば悪いときもあります。
困ってしまうのは毎年赤字の場合です。
フリーランスは利益の金額から生活費を負担することとなります。
赤字であると生活費に充てる金額がありません。たまたま一年だけ赤字であったなら過去の貯蓄等によって生活しているのかなと思えますが、毎年赤字となるとどうやって生活しているのかが問題となります。
毎年赤字である場合に考えられるのは生活費を経費に入れてしまっているケースです。
参考 → 調査で生活費を聞かれる理由は?
経費のチェックを重点的に
源泉徴収されているときの税務調査で問題となりやすいのは経費です。
売上金額については間違えていることが少ないです。
源泉徴収の金額にも影響しますし支払調書が発行されることがありますので売上金額が間違えていることは少ないです。
ただ支払調書が間違えていたり、支払調書があるものだけを申告しているケースもありますから注意しましょう。
赤字で還付を受けている場合の税務調査で重点的にチェックされるのは経費です。
経費の中に生活費が入っている可能性が高いのでそこをチェックされます。
赤字かどうかに関係なく生活費が経費に入っていないかのチェックはされますが、赤字の場合はより細かく確認されると考えておきましょう。
意図的に経費を多くいれて還付を増やすといったこともあります。
個人的な飲食代などを経費にしているケースが多いですから注意が必要です。
先ほども書きましたように赤字になることはおかしいことではありません。
事業をしていれば悪いときもありますから。
ただそれが毎年赤字であると本当にそうなのか?と思われます。
それで税務調査が行われることもありますが、売上金額と経費をしっかりと計算していれば何ら心配することはありません。
いけないのは還付を増やすために架空経費を入れてしまったり、わかっていながら経費でないものを経費にすることです。
しっかりと確定申告することを心がけましょう。
私も税務調査のご相談をお受けしております。
お困りの際は下記よりご相談ください。
国税庁にも色々な情報があります。
→ 国税庁
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