【個人の税務調査の実例】重加算税になり一括で支払えない税額が発生
個人の税務調査でも重加算税になることがあります。
重加算税になるとかなり負担が重くなります。
不正行為は絶対にしない方が良いのです。
※ 事実関係を変えているところがあります。
売上除外・隠していた
空調設備の取り付け等を行っている個人事業者から税務調査対応のご依頼がありました。
ご連絡をいただいたのは税務調査の途中でした。
すでに何度か税務署側と会って話をして、対応が難しくなってきたので私に依頼をしたいとのことだったのです。
お話を伺うと、
- 確定申告書は自分で作成
- 売上除外をしていた
- 税務署にまだ伝えていない銀行口座がある
- 他に銀行口座は無いと嘘を告げている
- 消費税が無申告である
とのことでした。
売上除外があり、さらには税務署に伝えていない銀行口座があるとのことでした。
その銀行口座にも売上金額の入金があったのです。
税務署には「ほかに銀行口座は無い」と嘘もついてしまっていました。
売上除外をして1,000万円未満で申告していたため消費税の申告もしていませんでした。
重加算税・7年分
私が税務調査の途中から対応するようにしました。
ですが、すでに税務調査が開始されており何度か聞き取りも行われている状態でしたので出来る対策も限られていました。
まず、税務署に伝えていなかった銀行をこちらから伝えることにしました。
事業で使用しているので必ず必要となりますし、税務署から告げられる前に伝えておいた方が良いからです。
税務調査の結果は、重加算税となり調査年分が7年となりました。
売上除外があったこと、ほかに銀行口座は無いと嘘をついていたことが影響してしまいました。
多額の税額が発生
7年分となり、さらには重加算税となったのでかなり多額の税額が発生しました。
住宅ローンかと思うくらいの金額となりました。
重加算税だけで数百万円発生しましたのでかなり重い負担です。
消費税については無申告であったため加算税の割合も重い割合で計算されました。
とても一括では納付できない金額でしたので納付相談をすることとなりました。
払えない場合は絶対に相談する
一括で納付できない場合には個別に相談することで分割払いにできる場合があります。
猶予制度もありますので利用できる可能性もあります。
一番いけないのは、ほったらかしにすることです。
このケースでも税務署と話をすることが面倒になってしまって税務署からの連絡をすべて無視してしまっていたようです。
しばらくして税務署から差し押さえの通知が届き、慌てて税務署に連絡。
何とか差し押さえは免れましたが、納税する意思をちゃんと示していなかったからか厳しい条件での支払いとなりました。
一括で納付できないときは
- 必ず相談する
- 支払の意思を示す
これらが大切です。
するべきだった対策
- 事前に修正申告書を提出
- 消費税の申告書も提出
- 税理士に相談
- 嘘はつかない
まず売上除外がある状態で税務調査の連絡があった場合にはすぐに税理士に相談した方がよいでしょう。
そのうえで修正申告書を提出した方が良いです。
消費税の申告が必要であれば消費税についても申告します。
これらを行うことで重加算税になる可能性をかなり下げることができると思われます。
このケースであれば数百万円分の負担が違っていたかもしれません。
税務調査の連絡があった時点ですぐにご相談いただいていれば違った結果になっていた可能性が高いので残念でした。
売上除外など不正行為等をしてしまっていても嘘や事実と違うことは言わないようにした方がよいです。
嘘を告げてしまうとそれが原因で重加算税の対象となってしまうことがあるからです。
売上除外があるならすぐ修正申告を
もし売上除外などがある場合には税務署から連絡が来てからではなく、今すぐにでも修正申告をした方がよいです。
税務署から連絡が来る前に自分から修正申告をすることが一番負担が少なく済みます。
連絡が来てからではなく、できるだけすぐに修正申告することを検討してみてください。
もしどうしていいかわからない場合には税理士に相談しましょう。
私も税務調査のご相談をお受けしております。
お困りの際は下記よりご相談ください。
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