個人事業主の税務調査で生活費の金額を聞かれる理由は大体の所得を把握したいから
個人事業者の税務調査では基本的に事業についての調査をされます。
ですが、稀に生活費がどれくらいかかっているかを聞かれることもあります。
事業と関係ないように思われるような生活費を聞く理由は何でしょうか?
この記事の内容について簡単にお話ししました。
個人事業主の税務調査で生活費を聞かれる理由は所得を把握したいから
税務調査では基本的に事業内容について確認されることとなります。
なので、事業と関係無いことを聞かれても「事業と関係無いので」と言って断ればいいのですが、そうもいかないことがあります。
それは、生活費を聞かれたとき。
今まで何度か生活費について聞かれたことがあります。その度に「事業とは関係無い」と伝えているのですがしつこく聞いてきて引き下がりません。
税務署が生活費の金額を知りたいのはおおよその所得金額を把握したいからです。
給料が30万円の人が毎月生活費として40万円を使っていたらおかしいですよね。
もちろん貯蓄を取り崩したり援助を受けている可能性もありますずっと続いているのはおかしいです。
40万円生活費を使っていたら他にも収入があるのではないか?と思われるわけです。
毎月の生活費が50万円かかっていたら年間の利益が600万円以上はあるはずですよね。それなのに申告書の利益が400万円とかだとおかしいと思われるわけです。
家計費とかプライベートなものが経費に入っているのでは?と思われても仕方ありません。
毎月の生活費を聞くことでおおよその所得を把握したいと考えているのです。
どんなときに生活費を聞かれるのか
一般的には所得を把握するのが難しいときです。
例えば、領収書などを紛失してしまっていてどれくらい経費がかかっているかわからないとき。
売上については銀行の入金などをみればある程度把握することができます。ただ、経費については領収書などがないとどれくらいかかっているのか把握しにくい。
どれくらい経費があってどれくらい利益があるのかがわからない、だから生活費を聞いてある程度の金額を予測する。逆算するようなイメージですね。
税務署も領収書が無いからといって全く経費を認めてくれないというわけではありません。
事業をやっていれば経費は必ずかかっているわけですから、できるだけ正確な所得を計算するために生活費を聞こうとするのです。
納税資金の確認も
税務調査があると何かしら修正事項が出ることがあります。
数年分の修正となるとまとまった税金が発生して一括で納税するのが難しいと思われることもあります。
そのような場合にどうやって税金を払うかを確認する意味で生活費を聞かれることもあります。
収入が50万円で生活費が40万円かかっていたら残りは10万円です。 その10万円全てを納税に充てたとしてどれくらいで完納できるかなども調べられます。
お金は何に使ってもいい
たまに勘違いされる方もいるのですが、稼いだお金は何に使っても問題ありません。
旅行でもギャンブルでも貯金でも何に使おうが税務署から何か言われることはありません。
ただし、ちゃんと税金を払っていれば、です。 正しい申告をしてちゃんと納税していれば、残ったお金をどう使うかは自由です。 税務署に聞かれるかもなんて思って変に意識する必要はありません。
まとめ
税務調査は基本的には事業のことだけを聞かれるのですが、稀に生活費も聞かれます。
生活費を答えるのはいい気分ではありませんが、調査を早く終わらせるためにもなるべく答えるようにしましょう!
稼いだお金を何に使っていようが税務署から何か言われることはありません。(ちゃんと納税していれば)
税務調査でお困りの際はご相談ください。 → 税務調査立ち会いの詳細
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