個人事業主の無申告の税務調査では住民税の申告状況も見られる。収入なしで申告すると重加算税になることも
税務調査は住民税の申告状況も確認されます。
収入があるのに「収入なし」で申告していると重加算税の対象になることもありえます。
この記事の内容について簡単にお話ししました。
税務調査は所得税と消費税が対象
税務調査は国税の調査となります。 国税は個人の場合ですと所得税・消費税です。
一般的に税務調査というと個人の場合は所得税と消費税の調査を意味します。
税金として個人住民税や事業税もありますが、こちらは税務署の税務調査の対象とはなりません。 住民税や事業税は税務署に提出する確定申告によって税額を計算することになります。
なので、税務調査によって所得税の税額が変わると住民税や事業税も変わってくることになります。
住民税の申告状況を確認することもある
税務署に確定申告をするとその情報が市町村にまわり住民税が計算されます。
毎年3月15日までに税務署に確定申告すると6月ころに住民税の通知が届くのは確定申告の情報が市町村にまわっているからです。
問題となるのは、確定申告をしていない場合です。 いわゆる無申告の状態です。
確定申告をしていないと市町村に情報がまわることもないので、市町村では住民税の計算ができません。 住民税も所得によって税額が変わりますのでいくら所得があるのかがわからないと計算ができないのです。
そのため、確定申告をしていない方には市町村から「住民税の申告書」が送られてきます。
住民税を計算するためにどれくらい所得があったのかを申告しなさい、というものです。
税務署に提出する所得税の確定申告書ではなく、住民税のための市町村に提出する申告となります。
収入なしで申告すると・・・
よくあるケースが住民税の申告書に「収入なし」と記載してしまうことです。
収入なしの場合はどうやって生活していたかを記載する必要がありますが、誰かの扶養になっていた、貯蓄で生活していたと記載するケースが多いです。
実際にそうであればいいのですが、収入があるのに「収入なし」と記載すると後で大変なことになります。 税務署に確定申告をしていない無申告の状態でも税務調査はあります。
無申告の場合は税務署は住民税の申告内容を確認していることがあるのです。
重加算税の対象となってしまったことも
実際にあったのは、収入があったが確定申告のやり方がわからず放置してしまっていたケースです。
確定申告をしていないので市町村から住民税の申告書が届きましたが、後で確定申告しようと思って毎年「収入なし」と申告していたのです。
税務署は住民税の申告内容を把握していて「収入があるのに収入なしとして申告したのは明らかに虚偽」として重加算税の対象となってしまったのです。
重加算税は非常に負担が重くなります。
他には、子供の学校関係で所得証明が必要でとりあえず「収入なし」として申告してしまっていたケースもありました。
理由はどれであれ収入があるのに「収入なし」として申告すると後で大変なことになります。
(無申告について簡単にお話しました)
確定申告をするのが一番の対策
結局のところ、収入がある場合は確定申告をしておいた方が間違いないのです。
税務調査の一番の対策は、最初からキッチリとした確定申告をしておくことです。
計算間違いやミスは仕方ありません。 ダメなのは売上を誤魔化すなど虚偽の申告をすることです。
自分でできないなら相談する
現在、無申告なら早めに申告するようにしましょう! 自分でできないなら税理士に相談してみましょう。
税務署から連絡が来てしまうと加算税もかかります。
税務署から連絡が来る前に確定申告をすることが一番の税務調査対策となります。 私も無申告の相談を受けています。
参考→ 無申告のサービス内容
すでに虚偽の申告をしていたら
すでに虚偽の申告をしてしまっているなら修正申告をしましょう。
一度提出した申告書に誤りがある場合は修正申告をして正しい金額に修正することができます。
住民税だけ「収入なし」としているなら今からでも税務署に正しい金額で確定申告をすれば大丈夫です。
期限を過ぎてしまっていても確定申告をすることはできます。
参考→ 期限後でも確定申告できる
確定申告をしなくていい「副業で20万円」がありますが、要件がありますので注意が必要です。
まとめ
住民税の申告で「収入なし」としてしまっているなら今からでも確定申告をしましょう。
税務署は住民税の申告を見ることもあります。 「虚偽」と判断されると税金の負担が重くなってしまいます。
お困りの際はご相談ください。
私もご相談をお受けしております。
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