個人事業主の税務調査が行われる明確な基準はない。売上規模は関係ない
個人の税務調査はどれくらいの売上規模から行われるのでしょうか。
多いのは900万円くらいの売上規模の場合ですが、300万円くらいの売上げでも税務調査が行われたこともあります。
税務調査は売上規模がいくら以上からというハッキリとした基準はありません。
税務調査が行われる基準はない
税務調査が行われる明確な基準はありません。
よく聞かれるのは、
- 売上げが1,000万円を超えたら
- 開業3年が経過したら
- 消費税の申告をしたら
などです。
売上金額が1,000万円を超えると税務調査が入る。
開業3年経ったら税務署が来る。
など聞かれますがそのようなことはありません。
個人の税務調査の立ち会いをしてきて感じるのは、上記のようなことはあまり関係ないということです。
明確な基準などないというのが実感です。 たまたま1,000万円を超えたときに税務調査が入ることがあるかもしれませんが、それは偶然です。 売上げが1,000万円を超えたから、というわけではない可能性が高いです。
税務調査は売上金額がいくらから行われるのか
これも明確な基準はありません。
売上げがいくら以上になったら調査が行われるといった基準はありません。
税務調査の立ち会いをしてきた経験上ですと、売上げ800万円から900万円くらいのケースが多いと感じます。
売上金額が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生するためその確認の意味もあるからです。
実際に税務署の調査官から「売上げ900万円くらいが続いているから調査に来ました」と聞いたこともあります。
売上金額が900万円くらいが続いていると税務調査が行われる可能性が高いのは間違いないでしょう。 ただ、900万円が続いているのが悪いわけではありません。
それが事実であれば何ら問題はなく、意図的に売上げを下げて申告していなければいいだけです。 悪いのは意図的に売上げ金額を下げて申告することです。
参考 → 売上げ1,000万円未満でも調査はある
売上げ300万円で税務調査
私が立ち会いさせていただいた中では売上金額が300万円で税務調査が行われたことがあります。
このケースでは確定申告の際に売上げや経費をすべてだいたいの数字で申告していました。
売上げ300万円、消耗品費50万円、交通費20万円のようにすべて端数のないきれいな数字で申告していたので税務調査に入られたのです。
確定申告の方法がわからなくておおよその数字で申告されていたのですが、税務調査の結果は実際の数字とそれほど違いがなかったことから大きな問題とはなりませんでした。
個人事業者で売上金額が300万円ですとそれほど多くはありませんが、それでも税務調査が行われたことがあるのです。
売上げが500万円、600万円くらいでも税務調査の立ち会いをしたことがあります。 売上げが1,000万円を超えなければ調査が行われない、なんてことはありません。
無申告は少額でも
無申告の場合はもっと少額でも税務調査が行われたことがあります。
私が立ち会いさせていただいたケースですと年間100万円くらいの売上げでした。 ずっと無申告だったために税務調査が行われたのです。 おそらくですが、最初からしっかりと確定申告をしていれば税務調査が行われる可能性は低かったと思われます。
無申告ですと税務調査の可能性が高くなります。
売上げが多い方が可能性が高い
税務調査が行われる明確な基準はありませんが、売上げ金額が多い方が可能性が高いのは事実です。
1,000万円よりも2,000万円の方が税務調査の可能性は高くなります。
売上金額が多くなればなるほど税務調査の可能性も高くなります。 それだけ事業規模が大きくなっているわけですから仕方のないところです。
参考 → 税務調査が行われやすいのはどんなとき?
これまで書いてきたように税務調査が行われる明確な基準はありませんから、曖昧な情報を鵜呑みにしないことが大切です。
しっかりと確定申告しておくことが大切
「まだまだ税務調査が来るような規模じゃないから大丈夫」と思ってしっかりとした申告をしていないと大変なことになります。
いつ・どこで税務調査が行われるのかはわかりません。
まとめると、
- 税務調査が行われる明確な基準はない
- 売上金額がいくらであっても税務調査の可能性はある
- 最初からしっかりとした確定申告をしておく
となります。
まだウチは大丈夫と思わずにしっかりとした確定申告をしておくことが非常に重要となります。
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税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】
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