個人事業主の税務調査で税務署ともめたらどうすればいい?
税務調査で税務署ともめることはあるのでしょうか?
意見の食い違いからなかなか調査が進まないことはありますが、もめるのは稀です。
もし、もめてしまった場合は担当者ではなく決定権のある上司に話をしてみるのも一つの方法です。
税務調査は戦うわけではない
(この記事について簡単にお話ししました。) 記事は動画の下に続きます。
税務調査と聞くと税務署と「戦う」と考えている人もいます。 税務署は敵だから戦う、と考えているのですね。
税務調査は税務署と戦うわけではありません。
税務調査は税務署と協力して進めるものですから敵ではないのです。 敵ではありませんから戦うこともありません。
公平な課税のため
税務調査の目的は公平な課税です。
しっかりと申告納税している人もいればそうでない人もいます。 なかには脱税のようなことをしてしまっている人がいるのも事実です。
しっかりと納税している人とそうでない人で不公平にならないように公平な課税を目的として税務調査が行われます。
もし脱税をしているのにそれを見逃してしまっては大変ですよね。
そのようなことがないようにするためにも税務署は疑ってくるのです。 厳しい言葉をかけてくることもあります。
それは決してこちらと戦おうと思っているわけではありません。
意見が違うことはある
戦うわけではありませんが、税務調査を進めていくと意見が異なることもあります。
わかりやすいのは経費になるかどうか。
こちらは経費であると思っていても税務署は経費ではないと判断することもあります。
税務調査ではよくあることです。
本当に納得できなければ不服申し立て、裁判などをするわけですがそこまで行くことはほとんどありません。
たいていは「落としどころ」を考えます。 どこで決着するかお互いに歩み寄って考えていくわけです。
もめてしまったら上司と話す
とはいえ、どうしても決着がつかないこともあります。 こちらも認めないし税務署もひかない。
このようなことは稀にあります。
税務署の指摘に対してこちらが納得できないでいると税務署側はなんとか理解を得ようとしてきます。
それでも、どうにも調査が進まなくなりもめてしまうこともあります。
そのような場合は、税務調査の担当者ではなくその上司に話をしてみるのも手です。
税務調査は担当者が自分で判断できるわけではなく、上司が判断をしているのです。
担当者と話をしても進まない、もめてしまうのであれば決定権のある上司に直接話をしてみると膠着していた調査が進むこともあります。
上司は経験豊富ですから、どのように対処すれば良いかよくわかっています。 税務署として一方的に判断するのではなくこちらの事情なども考慮してくれることが多いので、上司と話をした方が早いのです。
納税者支援調整官
国税局には納税者支援調整官もいます。 納税者支援調整官は納税者の不満や困りごとを聞いてくれるところです。
国税庁HPには下記のような記載があります。
国税庁、国税局又は税務署に対しては、処分に対する不服申立てだけでなく、職員の応対や調査の仕方など税務行政全般について、納税者から不満や注文、批判、困りごとの相談などが寄せられることがあります。このような納税者のさまざまな苦情等に正面から対応することが、納税者の理解と信頼を得るためには不可欠であると考え、納税者の視点に立って迅速かつ的確な対応を図っています。
ただ、納税者支援調整官の効果はわかりません。 やはり上司に直接話をした方が早いでしょう。
税理士に相談
自分で話をするのが難しい場合には税理士に相談するのも一つの方法です。
税理士が間に入って話をすることで調査が進むこともあります。 自分ひとりで解決できないときには税理士に相談してみるのもいいでしょう。
大切なのは「税務署は敵ではない」「戦うわけではない」ことです。
もちろん何でも言いなりになる必要はありませんが、協力して調査を進めるようにした方が早期に終わります。
お困りの際はご相談ください。
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