特別国税調査官の税務調査で個人事業者が気をつけることは?やるべき対策は通常の税務調査と同じ
税務調査を行う調査官の役職は様々です 。
特殊な役職の調査官もいます。
特別国税調査官が担当となることもありますが、やるべき対策は通常の税務調査と同じです。
税務調査を行う調査官の役職
税務調査を行うのは税務署の職員です。
職員には様々な役職があります。
上司にあたる役職もあれば新人にあたるような役職もあります。
税務職員の名簿を確認すると本当に様々な役職がありますけども、一般的に個人事業者の税務調査の現場で多いのは
- 国税調査官
- 事務官
といった役職です。
その他にも統括官などもいますけども税務調査の現場で合うのは国税調査官や事務官といった役職が多いです。
稀に特殊な役職の調査官にあたることもあります。
情報技術専門官
特殊な役職の一つが情報技術専門官です。
ネットビジネス専門の調査官だと思っていただければ良いかと思われます。
アフィリエイトやメルカリ、ヤフオクなどネットビジネスを中心に税務調査を行っています。
私も何度か立ち会いをしたことがあります。
他の調査官との違いは「細かい」ことです。
税務調査のやり方が明確に決まっているわけではないのですが、国税調査官や事務官の税務調査と比べるとより細かく調査される印象があります。
参考 → ヤフオク・アフィリエイトなどネット収入専門の税務調査官もいる
役職によって税務調査のやり方がちょっと違うこともあります。
特別国税調査官の税務調査
個人事業者の税務調査ではあまりないですが、稀に「特別国税調査官」が担当となることがあります。
「特別」とあるように役職としてはかなり上です。
よく「特官(とっかん)」と呼ばれたりもします。
国税調査官や事務官は自分では何かを決めることができません。
上司にあたる統括官から指示を受けて税務調査を行っています。
特別国税調査官については自分の判断で税務調査を行うことができる点が異なります。
特別国税調査官は一般的に規模が大きな事業者を担当することが多いです。
なので、一般的な小規模の個人事業者について税務調査を行うことは少ないです。
実際、私も個人事業者の税務調査の立ち会いをしていますが、特別国税調査官が担当となったケースは少ないです。
すでに把握されていることが多い
特別国税調査官の税務調査ではすでに多くのことが把握されていることが多いです。
先ほど述べたように小規模の個人事業者について対象となることは少ないのです。
それなのに特別国税調査官が担当となるのは何かしら問題があるケースです。
- 取引先に税務調査が行われて確定申告の誤りが把握されている
- 無申告であることが把握されている
などのケースです。
事前にある程度の情報を把握されており「問題ある」ケースが多いのです。
実際に
- 「○○社から収入がありますけど確定申告の収入は違いますよね」
- 「○○の収入があるのに申告されていないですよね」
と連絡があったことがあります。
すでにどこから収入があるのか、無申告である、誤りがある、ことなどを把握されていたのです。
参考 → 税務署が所得を把握する手段
いきなり自宅に来ることも
特別国税調査官にいきなり自宅を尋ねられたことがあります。
何の連絡もなくいきなり自宅に来られたのです。たまたま本人は外出していて不在にしており奥さまが対応されました。
特別国税調査官の税務調査に限りませんが、いきなり自宅を訪ねてくることもあります。
重加算税ありき?
特別国税調査官の税務調査の立ち会いをしたときに感じたのは「重加算税ありき」な印象だったことです。
先ほど書いたようにすでに誤りがあることがわかっているケースが多いので、その誤りについて重加算税であると考えているような印象を受けます。
実際に立ち会いしたときは領収書や請求書などの資料はあまり確認せずに誤りであったことを明確にするための質問応答記録書の作成にかなり時間をかけていました。
質問応答記録書は重加算税が疑われるときに作成されることが多いものです。
参考 → 個人事業者の税務調査で重加算税になりそうかわかる?
重加算税にする、といった税務調査が行われる印象が強いです。
必ずしも重加算税ではない
とはいえ、絶対に重加算税になるわけではありません。
無申告の状態で特別国税調査官の税務調査が行われたケースでは、税務調査前に確定申告書を提出するなど対策をしたことで重加算税にはなりませんでした。
この税務調査でも質問応答記録書が作成されましたが最終的には重加算税にはなりませんでした。
必ず重加算税になるというわけでもありません。
税務調査の進め方は通常と変わらない
特別国税調査官の税務調査では事前に情報を把握されていることが多いのですが、税務調査の進め方は通常の調査と変わりません。
事前に通知があり日程調整をするのも同じです。
いきなり自宅に来ることがあるのも通常の税務調査と変わりません。
不安になりすぎる必要はない
特別国税調査官だからといって不安になりすぎる必要はありません。
何かしら問題がある、金額が大きい場合に特別国税調査官が担当となるケースが多いだけであって税務調査の進め方は通常の税務調査と変わりません。
対策も通常の税務調査と変わりません。
- 誤りがあるなら修正申告をする。
- 無申告であるなら確定申告する。
これらが重要となります。
参考 → 脱税している状態で税務調査があった場合はどうすればいい?
特別国税調査官だからといって過度に不安にならないようにしましょう。
ただ特別国税調査官が担当だということは何かしら情報を把握している可能性が高いですから対策は必須です。
私も税務調査のご相談をお受けしております。
お困りの際は下記よりご相談ください。
こちらの記事もおススメです!
税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】
最新記事 by 税理士 内田敦 【個人事業主の税務調査専門】 (全て見る)
- 個人事業者は単純に利益が少なすぎると税務調査が行われやすい - 2024年10月4日
- 【個人の税務調査の実例】現金売上の領収書束を何枚か破り捨てていた - 2024年9月18日
- 【個人の税務調査の実例】提出のときに何も言われないから適当に確定申告していた - 2024年8月21日