【個人の税務調査の実例】20年間無申告だったケース
個人事業者が20年間ずっと無申告の状態で税務調査の連絡がありました。
資料の保存が少ない状態でした。
事前に確定申告書を提出することで短期間に終了することができました。
※ 守秘義務の関係で事実関係などを変えているところがあります。
20年間無申告
20年間ずっと確定申告をしておらず無申告だった個人事業者から税務調査のご相談をお受けしたことがあります。
この納税者は30年くらい事業を続けていました。
以前は法人を経営していたのですが、法人から個人事業になり20年間ずっと無申告だったのです。
その状態で税務署から税務調査の連絡がありました。
事前に行った対策
20年間無申告であったため、事前に確定申告を提出することにしました。
5年分の確定申告の提出をしておくことで早期終了にもつながるからです。
ずっと無申告であったため領収書やレシートなどを保存しておく習慣が無くほとんど書類がありませんでした。
幸いだったのは売上げはすべて銀行振り込みであったこと、ガソリン代などはすべてクレジットカード払いだったことです。
そのため下記の用意をしてもらいました。
- 通帳の履歴を取り寄せる
- クレジットカードの明細を再発行
- 外注に領収書かわりのものを書いてもらう
これらを取り寄せたところで確定申告書を作成しました。
具体的な方法
通帳の履歴は比較的すぐ用意できましたが、クレジットカードの明細は数週間かかることがわかりました。
税務調査まで日数が無いため数週間も待っていられません。
そのため、クレジットカードについては直近の明細を発行しそれをもとに概算で過去の経費について計算しました。
外注費については先方に連絡をして、今までにいくら支払いをしていたのかをお互いに確認しました。
そのうえで領収書のかわりとなる書面を先方に記載してもらうことにしました。
例えば【令和4年 200万円 受領しました。】といった形で住所・氏名の記入と押印をしてもらったのです。
先方と連絡が取れなかったり金額がわからない場合は概算で計上しました。
参考 → 何も資料が無い場合の対策
調査結果
調査の結果としては、所得税については事前に提出した確定申告書の内容でそのまま終了となりました。
消費税については概算で計算した(書類が無い)経費については認められず修正申告が必要となりました。
消費税については支払いの事実が確認できる書類が無いと認められないため仕方ありません。
まとめ
- 無申告の場合は事前に確定申告書を提出する
- 確定申告書はできれば5年分は提出する
- 再発行できる資料はすべて再発行する
- 用意できない場合は概算で計算する
これらが重要となります。
税務調査でお困りの際はご相談ください。
今までに何度も領収書やレシートがないケースのご相談をお受けしてきました。 やましいこと、相談しにくいと思うときこそぜひご相談ください。
ご相談は下記よりお願いいたします。
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