個人事業者は単純に利益が少なすぎると税務調査が行われやすい
個人事業者に税務調査が行われるケースは「単純に利益が少なすぎる場合」が多いです。
利益が少なすぎると生活費に充てる金額が無くなるからです。
利益が少なすぎるケース
税務調査のご相談を受けていて感じるのは「利益が少なすぎる」です。
売上から経費を差し引いて残ったものが利益です。
売上800万円、経費300万円なら利益は500万円です。
この利益が少ないなぁと感じることが多いです。
儲かっていないということではありません。
もちろん業績が悪くてなかなか利益が出ないといったこともありますが、そういったことではないのです。
利益が少なくなる理由としては
- 売上を少なくしている
- 経費を増やしている
のどちらかです。
つまり、本当は利益が出ているのに少なくしてしまっているケースが多いのです。
個人事業者の生活費
会社員であれば会社からもらう給料で生活をすることになります。
個人事業者の場合は給料はありませんので、給料ではなく利益で生活をしなければいけません。
売上800万円、経費300万円なら生活費は500万円です。
この利益500万円で生活をすることとなります。
500万円をすべて使えるわけではなくここから税金や健康保険、年金、生命保険などを払う必要がありますから使えるお金はさらに減ることとなります。
そのため利益が少なすぎると生活がかなり苦しいということになります。
税務調査で生活費の金額を聞かれるのはおおよその利益を把握するためでもあります。
月に40万円の生活費が必要なら年間で480万円くらいは利益がないとおかしいわけです。
あくまで参考としての金額なので必ずしもそうではありませんが、おおまかな基準にはなります。
生活できる?
税務調査のご相談で多いのは利益がすくなすぎるケースです。
利益が年間で100万円、場合によっては数十万円といったことがあります。
それが1年だけでなく何年も続けて、といったことが多いです。
たまたま業績が悪くて利益が減ったということもあるでしょう。
ただ、何年も利益が少ない状態だとどうやって生活しているのか不思議に思われます。
5年くらいずっと利益が10万円くらい、といったケースもありました。
年間の利益が10万円くらいです。
それが数年続いているのでどうやって生活しているのか?と実際に税務調査で聞かれたこともあります。
配偶者が働いている、貯蓄がある、など理由があれば説明できますが、そうでない場合はそもそもの利益の金額がおかしいということになります。
先ほど説明しましたように、利益が少なすぎると
・売上を抜いている
・経費を多く入れている
これらの可能性が高いです。
経費に生活費を入れてしまっているといったこともあります。
そのため税務調査の対象となりやすいのです。
利益が少ない場合は確認を
税務調査が行われないようにわざと利益を多くする必要はありません。
ただ、生活費も捻出できないくらいの利益となってしまった場合には本当に正しいのかを確認するようにしましょう。
確定申告書を作成した際に生活費を考慮しておかしくないくらいの利益なのか、は確認すべきです。
もし、利益が少ないとなると「売上が抜けている」か「経費が多い」のどちらかの可能性が高いです。
利益が少ないのが問題ではなくそれが事実であれば大丈夫です。
その場合はどこから生活費を負担しているのかを説明できるようにしておきましょう。
(貯金を取り崩しているのか、借入金があるのか等々)
私も税務調査のご相談をお受けしております。
お困りの際は下記よりご相談ください。
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